カレーは世界中で、たくさんの人が色々の食材を使って色々の方法テクニックを駆使して作っています。当店でも今まで試行錯誤しながらカレーを作ってきました。そして私は思うのですが、カレーとはシンプルに考えて、玉葱とトマトと肉(肉と言いましたが、メインの食材で肉に限らず魚貝類でもよいのです。当店の場合は豚肉を使っています。)とスパイスで作る料理だと思うのです。
そこで、どのようにして、より一層美味しく自分がイメージする美味しいカレーを作るかと言う事になります。今日は先ず最初にメイン食材である玉葱の調理の仕方から考えていきます。
よく飴色玉葱を作ると言いますが、これはどういうことかと言いますと玉葱に火を入れ、メイラード反応とカルメラ化反応起こす事によって美味しさの塊を作ると言う事です。
アメ色玉ねぎの調理において、メイラード反応とカルメラ化反応はどちらも色や風味に重要な役割を果たしていますが、それぞれ異なる化学的プロセスです。
1. **メイラード反応**
メイラード反応は、アミノ酸と還元糖が熱によって反応し、褐色化や香ばしい風味を生じる反応です。この反応は100度以上で進行し、玉ねぎに含まれるアミノ酸と糖分が加熱されることで、褐色がかかり、深みのある味わいが生まれます。肉やパンの焼き色にも関与する反応で、玉ねぎにもこの風味が加わることで、料理全体の味を引き立てます。
2. **カルメラ化反応**
カルメラ化反応は、糖分が熱によって分解し、褐色化とカラメルのような風味を生じる反応です。この反応ではアミノ酸は関与せず、純粋に糖が分解されて香ばしい風味と甘みが生まれます。玉ねぎの糖分が加熱されることでカラメル化が進み、さらにアメ色に変化し、甘みが引き立ちます。
3. **アメ色玉ねぎの生成過程**
アメ色玉ねぎは、カルメラ化反応とメイラード反応が同時に進行することで、深い褐色と風味が生まれます。低温から中温でじっくり炒めることで、玉ねぎの細胞が壊れ、糖分が放出されカルメラ化が進む一方、残っているアミノ酸と還元糖の組み合わせによってメイラード反応も起こります。この二つの反応の相互作用が、複雑で奥行きのある味わいを生み出します。
まとめると、アメ色玉ねぎの風味や色合いは、メイラード反応とカルメラ化反応の両方が関与することで形成されるもので、それぞれの反応が独自の役割を果たしながらも相互に影響し合っています。
大事な事はこれらの反応と「焦げ」は全く違うと言う事です。焦がしてしまっては元も子もありません。どの様にして焦がさないでアメ色玉ねぎを作るかと言う事です。そのテクニックとして水を使います。メイラード反応とカルメラ化反応で出来た美味しさのもとが鍋底にくっついて焦げる寸前に水を少量差して焦げるのを防ぐ,そして水分を飛ばす,そしてまた焦げそうになる前に水を差す,この繰り返しで美味しさの塊であるアメ色玉ねぎを作っていくのです。そして、このアメ色玉ねぎが出来上がれば8割がた美味しいカレーが出来たと言えると思います。
コメント